ステンレスやアルミがなぜ錆びにくいのか 【メカニズム解説】

ステンレスやアルミが錆びにくい理由を知りたい人
ステンレスやアルミは錆びにくいっていうのはよく聞くけど,そういえばその原理までは知らない。どんな原理で錆から身を守っているの?
こういった疑問に答えます。
本記事を読む価値
- ステンレスやアルミがなぜ錆びにくいのか,その原理が分かる
目次
1.ステンレスが錆びにくいメカニズム
そもそも,ステンレスという材料は,鉄(Fe)が主成分で,クロム(Cr)やニッケル(Ni)を含有させた合金のことを指します。
実はこのクロム(Cr)が,ステンレスが錆びにくい材料になるのに大きな影響を与えています。
仮に下図の(状態①)を,生まれたてほやほやの状態だとします。
すると,ステンレスは酸素に触れることで,クロム(Cr)と酸素(O2)が結び付いてCr2O3という『酸化被膜』を形成します(状態②)
この酸化被膜は,非常に強固に結びついた膜で,外部や液体をシャットアウトします。
これにより,ステンレスは錆に強い材料となるわけです。
じゃあ,ステンレスは絶対に錆びない金属なの?
これに対する答えは「NO」です。
上記で解説したとおり,酸化被膜はいわば酸素さえあればクロムと結びつくことで修復が可能です。
しかし,言い換えると酸素がない環境下では膜の修復が出来ず,錆が進行してしまいます。
例えば
- 傷がついたステンレス表面に水滴が付着したまま放置
→ステンレスは酸化被膜の自己修復が出来ずに,錆びてしまう。 - ステンレスに付着したほかの金属が錆びる
→貰い錆という現象で,ステンレスも錆び始める
というようなことも起こりえるわけです。
とはいえ,通常環境下で使用する分には,錆に強い材料であることは間違いありません。
2.アルミが錆びにくいメカニズム
アルミの場合も,メカニズム自体はステンレスと変わりありません。
アルミは,アルミ(Al)と酸素(O2)が結び付くことでアルミナ(Al2O3)と呼ばれる酸化被膜が発生することで,外部からアルミ本体を守っています。
簡単ですが,さびのメカニズム解説は以上です。