アルミ材料の選定方法【10秒で出来る選定チャート有り】

加工材料の知識

アルミ材料の選定方法を知りたい人
アルミ材料の選定方法を知りたい。というか,アルミっていったい何種類あって,それぞれの特性や用途はどんな感じなの?

こういった疑問に答えます。

目次

  1. アルミ材料の選定方法【10秒で出来る選定チャート有り】
  2. アルミの種類と各特性をまとめた一覧表

著者の略歴

  • 高専で機械工学を専攻
  • 現在は機械設計エンジニアとして働く(2年目)

アルミの材料選定に関して、実務体験に基づいて解説します。

1.アルミ材料の選定方法【10秒で出来る選定チャート有り】


では,実際にアルミ材料の選定手順についてみていきましょう。

まず,上記チャートを使って適切なアルミを1000系~7000系の中から選んでいきましょう。

選べましたか?

そうしたら,次は選んだ系列のアルミ材の中から,実際に使用する型式まで落とし込んでいってみましょう。

※3000系,4000系は用途が限られるため,今回は除外しています。

1000系を選定した人

1000系は純アルミで『導電性や熱伝導性』に優れた性質を持っています。
必要なアルミ純度,流通している形状から適当なものを選定しましょう。

2000系を選定した人

2000系は『強度』に優れたアルミ材です。
Cuの添加量が多くなるほど強度も増しますので,必要強度に応じて選定を行います。

5000系を選定した人

5000系は『汎用性』に優れ,最もよく使われるアルミ材料です。
以下のような基準で選定すれば,問題ないかと思います。

  • 板材の場合は『A5052』 → 特に表面精度が必要な場合はアルハイス
  • 丸棒の場合は『A5056』
  • 溶接を行う場合は『A5083』

6000系を選定した人

6000系は『強度』と『耐食性』を両立させた材料です。
また,押出成形が得意なのでアングル部材の場合は『A6063』を選定すれば間違いないかと思います。

7000系を選定した人

7000系は2000系より『強度』に優れたアルミ材料でした。
2000系や鉄では満足できない場合に選定するようにしましょう。

※A7075でも満足できない場合は,アルミーゴを検討

2.アルミの種類と各特性をまとめた一覧表


第1章の選定チャートで取り扱ったように,アルミ材料は 1000系~7000系までの7種類に分類出来ます。

※このどれにも属さないアルミを8000系と呼んだりもします

これは,純アルミである『1000系』のアルミに対し,添加する元素を変えることで特徴を変化させ,それぞれに番号を割り当てて分類したものです。

下記が各アルミ材料の特性一覧表になります。


1章の選定チャートと併用しながら,材料選定にお使いください。

アルミ以外の材料の種類や,選定方法が知りたい方は下記記事からをどうぞ。